シュリンク包装とは?
シュリンク包装とは、英語のshrink(縮む)が語源で、熱で収縮するフィルムを容器にピタッと密着させる包装のことです。
例えばPETボトルのラベルや書籍、CD、化粧品、医薬品、日用品…私たちの生活に欠かせない様々な大きさや形の包装に利用されています。
この記事ではシュリンク包装にはどんな種類や用途があるのか、包装作業はどのように行うのかするのか…シュリンク包装について幅広く解説いたします。
目次
1.シュリンク包装でできること
なぜ身の回りにシュリンク包装が多用されているのでしょうか。どのようなメリットがあり、役割を果たしているのかを見てみましょう。
商品の保護
まずはじめにシュリンク包装で商品の全体を覆うと、汚れや異物混入を防ぎ、商品を保護することができます。また、耐寒性・耐水性もあり商品の劣化を防ぐことができます。
開封・改ざん防止
シュリンクフィルムは一度破ると元に戻すことができないため、開封・改ざん防止になります。
新品であり未開封であることが確認できる包装は、消費者に安全安心を提供するのに欠かせません。
商品の固定(荷崩れ防止)
シュリンク包装は輸送のための梱包資材に利用されることもあります。
パッドに商品を置いた状態でシュリンクすれば、小さなサイズの商品でも固定することができます。
輸送箱サイズにピッタリ合ったパッドを使用すれば、箱の中で商品が動かなくなり、緩衝材を少なく出来るため資材費を抑える事もできます。
複数の商品の同時梱包(集積包装)
複数の商品や、大きさの違う商品をまとめて包装することも可能です。テープや箱などで固定する必要がないので資材費の削減にもなります。セット販売などに適しています。
デザイン性
透明のフィルムだけではなく印刷フィルムを使用し、商品ラベルとして包装することもできます。
商品に直接印字するより表示面積が広くなるためPRに適しており、パッケージ変更なども対応がしやすくなります。
2.シュリンク包装の種類
次はシュリンク包装の種類をご紹介します。シュリンク包装には目的や商品の形状によって様々な形態があります。
まずは商品の一部分を覆う包装から見てみましょう。
商品の一部を覆う包装
ラベルシュリンク
商品表示ラベルとして使用できることからラベルシュリンクと呼ばれています。
食品・化粧品・医薬品などのラベルの表示や商品のPRに使用されています。
キャップシュリンク
容器のキャップのみをシュリンクする方法です。容器の開封や改ざんを防ぎます。
Rシュリンク
シール部がR状(楕円)のフィルム袋を使用し、容器の底面以外を覆ってシュリンクする方法です。
収縮後も角が立たないのでシャンプーボトルやスプレーなどキャップ部分が複雑な形状の容器や、曲面の多い物体の包装に適しています。
商品の全体を覆う包装
次に商品の全体を覆う包装です。
主に「L型シュリンク」と「ピローシュリンク」の二種類があり、包装方法とともにご紹介します。
L型シュリンク
半折フィルムという二つ折りにしたフィルムを使用し、L型の熱線やシーラーなどで三方を溶断して商品全体をシュリンクする方法です。折った辺以外の側面3辺にシール線ができることから「三方シール方式」とも呼ばれます。
箱やボトル様々な形態の商品の包装が可能です。
ピローシュリンク
フラットフィルムを筒状に成形しながら商品を包み込み、H字型にシールして包装する方法です。
包装後の製品が枕(ピロー)に似ていることからピロー包装と呼ばれています。
伸縮力が強いため、製品の形状に左右されにくくスキマのないきれいな包装ができます。
防湿性も高く、カップ麺や紙パックなどの食品に多く用いられています。
3.シュリンクフィルムの種類
熱で縮む特性をもったフィルムをシュリンクフィルムといいます。
シュリンク包装には、特性に応じた様々なシュリンクフィルムが使われています。
代表的なフィルムの長所と短所をご紹介します。
PVC(ポリ塩化ビニール)
長所:仕上がり時にコシが強い。低温で収縮する。成形、加工特性、電気絶縁性に優れている。短所:自然収縮を起こしやすい。空間シール面が破れやすい。帯電しやすい。
OPS(ポリスチレン)
長所:硬めの仕上がり。透明度が高い。短所:衝撃に弱い耐薬品性が悪い。
PET(ポリエチレンテレフタレート)
長所:接着強度が高い。透明度が高い。短所:開封しにくい。加工が難しい。
PP(ポリプロピレン)
長所:柔らかめの仕上がり。接着強度が高い。印刷加工がしやすい耐寒性、防熱性、耐湿性に優れている。短所:自然収縮を起こしやすい。空間シール面が破れやすい
PE(ポリエチレン)
長所:接着強度が高い。弾力性がある。寸法安定性に優れている。短所:透明度が低い。収縮に時間がかかる
PO(ポリオレフィン)
長所・ツノ、シワが少なく綺麗な仕上がり。低温で収縮できる・突刺、引裂強度が強い短所:開封しにくい・価格が比較的高い。
4.シュリンクトンネルの方式とシュリンク包装機
商品にフィルムをピタッと密着させるには、装着したフィルムに熱をかけて収縮させる必要があります。
L型シュリンク・ピロー包装の紹介に登場しましたが、
主にシュリンクトンネルに通してフィルムを収縮させるのが一般的です。
シュリンクトンネルには下記のような方式があります。
蒸気式
蒸気熱を利用し収縮させる方法です。仕上がりがきれいですが、水滴除去や設備の大きさが課題となります。
熱風式
一方向から熱風を当てて収縮させる方法です。蒸気式に比べると仕上がりにムラがあるのが課題ですが、近年は旋回した熱風を当てることで従来の熱風式よりムラのない仕上がりになる熱旋風式なども登場しています。
またシュリンク包装機には様々なタイプがあります。
フィルムの装着から商品がシュリンクトンネルに流れて収縮するまですべて自動で行う全自動タイプ、
フィルムは手作業で装着し、手動でトンネルに通す手動タイプなどがあります。
またシュリンク包装は小ロットの包装作業であれば工業用ドライヤーでも行えます。
シュリンクしたい商品の数量や作業効率、導入コスト、設置スペースなど目的に合った包装機を選ぶことが大切です。
5.まとめ
最後にこの記事を読んできてくださった方はおそらく新たにシュリンク作業を始めたい方、もしくは現行の包装作業に課題を感じている人ではないでしょうか。
ご紹介してきたようにシュリンク包装には様々な形態・フィルムの種類・機械があります。
ダイワハイテックスでは目的・商品の形状にあった包装、作業効率やコストに見合った機械の提案をさせていただきます。
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