物流の基礎知識|6大機能・業界課題から効率化の実践ポイントまで網羅解説

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更新日 2026-06-07

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※記事内の画像は一部生成AIを使用し作成しています

EC市場の拡大と労働力不足が同時に進行するなかで、物流に関する正しい理解は、配送や倉庫の担当者だけでなく、EC運営者やメーカーの物流部門にとっても無視できない経営テーマになりつつあります。

ところが「物流の6大機能を整理して説明できるか」「ロジスティクスとの違いを部下に伝えられるか」と問われると、自信を持って答えられる方は決して多くありません。本記事では、物流の定義や仕組みといった基礎部分から、現場で押さえておきたいコスト構造やKPI、業界が直面する課題、そして効率化の実践ポイントまでを体系的に整理していきます。

新任の物流担当者が初歩を固める用途にも、自社の物流改善の論点を洗い出す用途にも活用できる内容となっています。

目次

物流とは|まず押さえておきたい定義と目的

物流の定義と目的を整理した基礎知識の解説図

物流とは「物的流通」の略称

物流とは「物的流通」の略で、生産者が作った商品を消費者の手元まで届けるまでの一連の流れを指します。輸送だけを意味する言葉として誤解されることが多いものの、実際には保管や荷役、包装、流通加工、情報処理までを含んだ広い概念です。

物流の目的は時間的・空間的なギャップを埋めること

生産と消費の間には、必ず時間的なずれと地理的な距離が存在します。物流は、必要なモノを必要な時に必要な場所へ届けることで、このギャップを埋める役割を担っています。

「経済の血液」と呼ばれる社会的役割

物流が止まれば、店舗の品切れや工場の生産停止が連鎖的に発生します。物流が「経済の血液」と表現されるのは、すべての経済活動の基盤として機能しているためです。

物流と混同しやすい関連用語の違いを整理する

物流と「商流」の違い

物流が「モノの移動」を指すのに対し、商流は「所有権の移転と代金決済」を指す概念です。例えばネット通販で商品を購入したとき、決済が完了した時点で所有権が移転するのが商流、後日商品が手元に届くのが物流に該当します。

物流と「流通」の違い

「流通」は、物流と商流の2つを合わせたより上位の概念にあたります。生産と消費を結ぶ経済機能全体を指す言葉だと押さえておきましょう。

物流と「ロジスティクス」の違い

物流が現場の実行レベルを指すのに対し、ロジスティクスは調達から販売、回収までを一元管理して最適化する戦略的な概念です。物流はロジスティクスの一部であると整理すると、両者の関係が分かりやすくなります。

物流と「サプライチェーン(SCM)」の違い

サプライチェーンは原材料の調達から最終消費者への提供までの企業横断的なつながりを意味します。ロジスティクスが自社内の最適化に重点を置くのに対し、SCMは取引先を含めた連鎖全体の最適化を扱う点が大きく異なります。

「輸送」「配送」「運送」の使い分け

実務でよく混同される3つの語ですが、輸送は拠点間の長距離移動、配送は拠点から末端までの短距離小口移動、運送は依頼を受けて貨物を運ぶ事業行為そのものを指すのが一般的な使い分けとなります。

「包装」と「梱包」の違い

包装は商品を袋やフィルム、箱などで保護・装飾する工程を指し、梱包は包装された商品をバンドで結束したり、外箱でまとめたりして輸送・保管に適した形にする工程を指します。包装機と梱包機は別工程の機械として扱う必要があり、混同したまま設備を選定すると現場とのミスマッチが起こりやすくなりますので注意が必要です。

物流を構成する6大機能

物流は、輸送・配送、保管、荷役、包装、流通加工、情報処理という6つの機能で構成されています。

①輸送・配送(物流コストの約6割を占める基幹機能)

商品を移動させる工程で、物流コストの大半を占めることが多い機能です。輸送が長距離の拠点間移動、配送が末端への小口配送を担っており、燃料費や人件費の影響を受けやすい領域でもあります。

②保管

倉庫や物流センターで一定期間モノを蓄えておく機能です。生産と販売のタイミングのずれを吸収し、需要に応じた供給を可能にする役割を果たします。

③荷役

倉庫内で発生する積み下ろし、運搬、棚入れ、仕分け、ピッキングといった作業の総称です。属人化しやすい領域でもあり、効率化の余地が大きい工程と言えます。

④包装

商品を保護し、輸送中のダメージを防ぐと同時に、ブランドイメージや開封体験を左右する重要な機能です。EC物流では、この工程の自動化ニーズが特に高まっています。

⑤流通加工

ラベル貼付、値札付け、セット組み、同梱物の挿入、検品など、出荷直前に付加価値を加える工程を指します。手作業が多く残りやすく、改善余地が大きい領域でもあります。

⑥情報処理

受注から在庫管理、出荷、配送追跡までを一元的にコントロールする機能です。WMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)が、この領域を支えています。

物流の5つの領域(フェーズ別分類)

5領域の概要

物流は機能ではなくフェーズで見ると、調達物流、生産物流、販売物流、回収物流、リサイクル物流の5つに分類できます。原材料の調達から、消費後の回収・再資源化までを一連の流れとして捉える考え方です。

BtoB物流とBtoC物流(EC物流)の違い

同じ販売物流であっても、卸や小売店向けの大口配送が中心のBtoB物流と、エンドユーザー向けに多品種少量を配送するBtoC物流(EC物流)では、求められる仕組みが大きく異なります。BtoCでは小口・多頻度・短納期への対応が必須となり、出荷工程の自動化や柔軟な梱包設計が成果を左右しやすい傾向があります。

自社がどの領域にウェイトを置いているかを把握する重要性

自社の事業特性によって、改善すべき領域は変わります。製造業であれば調達と生産の連携、EC事業者であれば販売物流の効率化、というように、領域単位で改善余地を整理する視点が役立ちます。

物流業界を支えるプレイヤー構造

物流業界は単一の事業者で成立しているわけではなく、複数の役割を持つプレイヤーが連携することで機能しています。

運送事業者・倉庫事業者・3PL事業者の役割分担

トラックや航空機などで実際の輸配送を担うのが運送事業者、商品の保管・出荷拠点を提供するのが倉庫事業者、複数機能を一括で請け負うのが3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業者です。3PLは荷主企業の物流戦略全体を代行する立場として、近年ますます存在感を増しています。

マテハン機器メーカー・包装機メーカー・梱包機メーカーの位置づけ

物流の現場で使われる設備を供給する企業群も、業界の重要なプレイヤーとなります。コンベアや自動倉庫を供給するマテハン機器メーカー、商品を保護する包装機を供給するメーカー、結束工程を担う梱包機メーカー、通販物流の出荷工程を一気通貫で自動化する自動梱包ラインを開発するメーカーなど、それぞれが現場の効率化を技術面で支えています。

荷主企業と物流事業者の関係性

荷主企業(メーカー、卸、小売、EC事業者)と物流事業者は、単なる発注者と受注者の関係から、共同で改善に取り組むパートナーの関係へと変化しつつあります。

物流コストの内訳と「どこにコストが集中するか」

物流コストの内訳とコストが集中する工程を可視化したイメージ

物流コストの主要構成

物流コストは、輸送費、保管費、荷役費、包装費、管理費の5つに大別できます。このうち輸送費が全体の半分以上を占めることが多く、燃料費や人件費の上昇の影響を最も受けやすい項目となります。

売上高に占める物流コスト比率の業種別目安

業界団体の調査などでは、売上高物流コスト比率の全業種平均は5%前後とされており、業種によっては10%を超える例もあります。自社の比率を業界平均と比較することで、改善の方向性を見極める指標になります。

コストが膨らみやすい工程と典型的な原因

包装・梱包工程は人手作業が残りやすく、人件費の上昇とともにコストが膨らみやすい領域です。また、無駄な空間を含んだ梱包は配送費の上昇要因にもなります。コスト削減を狙うのであれば、「人が介在している工程」と「資材の使い方」を最初に見直すと効果が出やすくなります。

物流現場で押さえておきたい主要KPI

物流現場の改善活動を進めるには、感覚ではなく数値で現状を把握することが欠かせません。

誤出荷率・在庫回転率・実車率・積載率の基本

誤出荷率は出荷件数あたりの誤出荷の割合、在庫回転率は一定期間に在庫がどれだけ売れたかを示す指標、実車率はトラックの稼働時間に対する積載走行時間の比率、積載率はトラックの容量に対する積載量の比率を表します。

人時生産性(DPH/DPS)の考え方

DPHは1時間あたりの処理件数、DPSは1人1日あたりの処理件数を示します。倉庫内作業の生産性を測る代表的な指標であり、人員配置や工程設計の見直しに直結する数字です。

KPIを改善活動に接続する運用ポイント

KPIは取得するだけでは意味を持ちません。月次でレビューし、目標値と差異がある工程に対して改善施策を打つというサイクルを回すことで、初めて成果につながります。

物流業界が直面している主な課題

トラックドライバーの労働時間規制と輸送能力不足

働き方改革関連法によって、トラックドライバーの時間外労働は年960時間に上限が設けられました。この影響により、運べる貨物の総量が減少することが懸念されています。

物流業界の高齢化と若年層の確保難

物流業界は全産業平均と比べて高齢層の比率が高く、若年層の入職率が低い傾向にあります。長期的な人材確保は、業界全体の構造的課題となっています。

EC市場拡大による小口・多頻度・短納期化

オンラインショッピングの普及により、出荷件数は増える一方で1件あたりの貨物は小型化しています。手作業中心の現場ほど、この変化に対応しきれない場面が目立ってきました。

物流コスト上昇圧力と価格転嫁の難しさ

燃料費や人件費の上昇分を荷主に転嫁できず、収益が圧迫されている事業者も少なくありません。

環境負荷低減・サステナビリティ対応

CO2排出量の削減や過剰包装の見直しなど、環境への配慮も避けて通れないテーマになりつつあります。

物流に関わる主要法令・政策動向

改正物流効率化法

正式名称は「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」で、共同輸配送や物流拠点の集約などを促す制度として運用されています。近年は2024年問題への対応として改正が進み、荷主企業にも責務が課されるようになりました。

貨物自動車運送事業法・倉庫業法

トラック運送と倉庫運営それぞれの事業を規律する法律で、許認可・安全基準・契約ルールなどが定められています。

国の政策パッケージとガイドライン

国の関係省庁からは、荷主・物流事業者・消費者の三者で物流を支える社会的合意を形成するための政策方針も示されています。法令・政策の動向を把握しておくことは、自社の物流戦略を考える上で重要な前提となります。

物流業務を効率化する6つの実践アプローチ

物流業務を効率化する6つの実践アプローチを示したフロー図

①業務プロセスの可視化と標準化

まず取り組むべきは、現状フローの見える化です。誰がどの工程に何分かけているかを記録し、属人化している部分を洗い出すところから改善が始まります。

②物流DX(WMS・TMS・OMSの連携)

倉庫管理、輸配送管理、注文管理のシステムを連携させることで、リアルタイムの在庫情報と出荷指示の連動が可能になります。

③物流アウトソーシング(3PL)の活用

自社で物流機能を維持することが負担になる事業者にとって、3PLの活用は有効な選択肢の一つです。コア業務へ経営資源を集中させたい場合に検討する価値があります。

④倉庫内作業の自動化

ピッキングロボットや自動倉庫、コンベア搬送などのマテハン機器を導入することで、荷役工程を大幅に省人化できます。

⑤包装・梱包工程の自動化

EC物流の現場で改善余地が大きいのが、包装・梱包工程です。手作業で1件ずつ封入や封かんを行っている現場では、自動梱包ラインの導入によって作業効率の大幅な向上と人件費の削減を同時に実現できる場合があります。

ここで注意したいのが、用語の整理です。「梱包機」と呼ばれる単体機は、PPバンドやPETバンドで荷物を結束するための機械を指すのが一般的な定義となります。一方、通販物流の現場で導入が広がっている「自動梱包ライン」は、商品の封入、封かん、ラベル貼付までを一気通貫で自動化する設備であり、バンド結束工程は含まれません。両者は工程として別物であるため、検討の初期段階で混同しないことが重要です。

また、事業規模や物量によって、手動梱包機・半自動梱包機・自動梱包ラインのどれが適するかは変わります。スポット利用や少量の場合は手動梱包機、中量帯は半自動梱包機、出荷量が多くスピードが求められるEC・通販事業者は自動梱包ラインへの投資が選択肢として浮上します。

国内では、通販物流向けに省スペース設計の自動梱包ラインを展開する設備メーカーも存在します。代表的な構成例として、メール便封筒の自動梱包に対応するラインや、メール便箱を糊付けで美しく仕上げるライン、宅配サイズの段ボールをフィルムで固定して緩衝材を不要にするラインなどが挙げられます。以下に、各タイプの自動梱包ラインの概要を紹介します。

PAS-Line 外観

PAS-Line(パスライン)

全長 3.5 mの省スペース設計で、1 時間 1,000 件の高速出荷を実現。メール便の梱包コストを最小化したい現場に最適です。

PAS-Lineの詳細を見る >

⑥流通加工工程の自動化

ラベル貼付、シュリンク包装、検品といった流通加工工程も自動化が進んでいる領域です。出荷直前の付加価値工程をライン化することで、ヒューマンエラーの削減と作業時間の短縮を両立できます。

物流の基礎知識を自社の実務に落とし込む3ステップ

STEP1 自社の物流フローをマッピングする

入荷から出荷までの工程を図に落とし、どこに人手と時間がかかっているかを書き出すところから始めます。フロー図にすることで、関係者間の認識合わせもしやすくなります。

STEP2 ボトルネックを特定し改善の優先順位を決める

可視化したフローの中で、コストやリードタイムへの影響が大きい工程を特定していきます。一度にすべてを変えようとせず、優先順位をつけて段階的に取り組む姿勢が成功の鍵を握ります。

STEP3 「内製で改善する」と「外部・設備に投資する」の判断基準

業務フローの見直しやKPI管理は内製で進められる一方、自動化設備の導入は専門メーカーへの相談が近道となります。投資判断にあたっては、ROIだけでなく、人材確保の難易度や事業成長の見通しも踏まえて検討しましょう。

物流の基礎知識に関するよくある質問

Q. 物流とロジスティクスを一言で区別すると、どうなりますか

物流は「実行」、ロジスティクスは「最適化のための管理」と整理すると分かりやすくなります。物流はロジスティクスの一部に含まれる関係です。

Q. 物流の6大機能のうち、最もコストがかかるのはどこですか

業種によって異なりますが、輸送・配送が全体コストの過半数を占めるケースが多く見られます。次いで保管費、人件費が大きく影響します。

Q. 「包装」と「梱包」はどう使い分けるべきですか

包装は商品を保護・装飾する工程、梱包は輸送・保管に適した形にまとめる工程と区別します。それぞれに対応する機械である包装機と梱包機も、別物として扱う必要があります。

Q. 中小規模のEC事業者でも梱包工程の自動化はできますか

省スペース型の自動梱包ラインも存在するため、出荷量が一定以上ある事業者であれば検討は十分に可能です。手動梱包機や半自動梱包機といった段階的な選択肢もあり、物量に応じた投資設計が可能です。

Q. 物流アウトソーシング(3PL)を検討すべき目安はありますか

社内のリソースが本業に割けない、専門人材の確保が難しい、繁忙期と閑散期の波動が大きい、といった状況があれば検討の余地があります。

まとめ|基礎知識を起点に、自社の物流改善余地を見極める

物流の基礎知識は、6大機能と5領域を物差しに自社の現状を整理し、コスト構造とKPIで改善の打ち手を見極めるための土台になります。効率化の施策は、業務改善・システム導入・自動化設備の3つを組み合わせて検討することで、より大きな成果へつながりやすくなります。

特に包装・梱包工程は、手作業が残りやすく、自動化のインパクトが大きい領域です。自社の物量や取扱商品に応じて、最適な自動梱包ラインの導入を検討してみましょう。

導入のご相談や、実際の導入事例については、以下より詳細をご確認いただけます。

 

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