物流プロセスの全工程と流れを整理|現場のムダをなくす効率化のコツ

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物流プロセスとは|全体像を整理

物流プロセスの全体像を整理した解説イメージ

物流プロセスとは、商品が生産者から消費者の手元へ届くまでの一連の流れを指します。受注に始まり、保管やピッキング、梱包を経て配送へと続く工程が連携することで、はじめて商品が届きます。それぞれの工程は独立して見えても、前の工程の精度が後の工程の負荷を決める関係でつながっています。

改善に取り組むうえで大切なのは、まず全体像を押さえることです。流れを理解しておくと、どこにムダが潜んでいるのかを見つけやすくなります。

物流とロジスティクス・流通・商流・SCMの違い

物流とよく混同される言葉を、下の表で整理しました。指す範囲を理解しておくと、社内での認識のずれを防げます。

用語 意味・指し示す範囲
物流 モノそのものの物理的な流れを表す
ロジスティクス 調達から生産、販売、回収までの供給活動全体を管理する考え方で、物流を含む上位の概念にあたる
流通 モノの流れに情報と所有権の流れを加えた、より広い概念を指す
商流 代金や所有権がやり取りされる取引上の流れを表す
SCM 原材料の調達から消費者に届くまでの供給網全体を最適化する管理手法をいう

物流の5つの領域

物流は、対象とする段階によって次の5つの領域に分けられます。製造業やメーカーの物流部門では、販売の段階だけでなく調達や生産まで含めて捉えると、コスト構造を把握しやすくなります。

  • 調達物流 ― 原材料や部品を仕入れる段階の流れ
  • 生産物流 ― 工場内でモノを動かす流れ
  • 販売物流 ― 完成品を顧客へ届ける流れ
  • 回収物流 ― 返品や容器を回収する流れ
  • 廃棄物流 ― 不要物を処理する流れ

物流を支える6つの機能

物流プロセスは、大きく6つの機能で成り立っています。それぞれが役割を果たし、互いに連携することでモノの流れが滞りなく進みます。なかでも輸送と配送はコストの大きな割合を占めるといわれ、削減を考えるうえでの重要な要素になります。

機能 役割
輸送・配送 生産者から消費者へモノを運ぶ。長距離の輸送と近距離の配送に分かれる
保管 需要のタイミングに合わせて、商品を一定期間とどめておく
荷役 入出庫や積み下ろし、ピッキングなど倉庫内のモノの移動を担う
包装 フィルムや箱などで商品を包み、保護して扱いやすくする
流通加工 ラベル貼りやセット組みなど、出荷前に付加価値を加える
情報処理 在庫や出荷の状況を管理し、各機能をデータでつなぐ

受注から配送までの10工程と流れ

ここからは、物流プロセスを工程ごとに整理します。各工程の役割とあわせて、つまずきやすいポイントも一覧にまとめました。自社の現場と照らし合わせながら確認してみてください。

工程 主な作業 つまずきやすいポイント
① 受注・受注処理 注文の受付と内容確認 手入力による情報の取り違え
② 入荷・入庫・検品 商品の受け入れと格納、入荷検品 数量や状態の確認ミス
③ 保管・在庫管理 倉庫での保管と在庫数の把握 ロケーション未整理による探索のムダ
④ 在庫引当・出荷指示 出荷在庫の確保と指示の発行 引当ミスによる欠品や過剰出荷
⑤ ピッキング 保管場所からの商品集め 移動距離の長さや指示の分かりにくさ
⑥ 流通加工 ラベル貼りやセット組み 作業増による属人化
⑦ 出荷検品 注文内容との最終照合 目視のみに頼った見落とし
⑧ 梱包 配送に耐える状態への仕上げ 過剰な緩衝材や手作業の多さ
⑨ 出荷・発送 送り状の貼付と配送便への引き渡し 締め時間の管理不足
⑩ 配送・輸送 顧客のもとへ届ける最終工程 サイズに合わない箱による送料の増加

受注や在庫管理のシステム化が進む一方で、梱包の工程は導入コストや工程の複雑さから機械化が後れを取りやすい領域です。手作業が残りやすいぶん、出荷量が増えるほど現場の負担が膨らみ、繁忙期には作業の遅れや品質のばらつきが起こりがちになります。だからこそ、ムダの大きい梱包工程は効率化の効果が表れやすいといえます。

梱包・包装・結束の違いに注意

混同されやすいのですが、梱包と包装と結束はそれぞれ意味が異なります。言葉を正しく使い分けると、現場での作業指示や設備選びの精度が上がります。

用語 指し示す作業
包装 商品を袋やフィルム、箱で包む作業
結束 まとめた荷物をバンドで束ねて固定する作業
梱包 包装や結束を含め、配送に耐えられる状態へ仕上げる工程の総称

物流の現場で起こりやすい課題

物流の現場で起こりやすい課題を整理した解説図

多くの現場が抱える課題には、共通した傾向が見られます。代表的なものを整理しておくと、自社の状況を客観的に振り返りやすくなります。

  • 人手不足と輸送力の低下 ― 労働人口の減少やドライバーの時間外労働への規制強化により、人員と輸送力の確保が難しくなっています。
  • 誤出荷や商品破損による信頼の低下 ― 再配送のコストが生じるだけでなく、顧客からの信頼も損ないます。
  • 物流コストの上昇 ― 人件費や資材費、配送料の上昇が全体のコストを押し上げています。
  • 作業の属人化と繁閑差 ― 特定の担当者しか作業できない状態は、欠員時のリスクと繁忙期の対応力の低下を招きます。

課題を洗い出す可視化のステップ

効率化に取り組む前に、現状を見える化することが欠かせません。感覚ではなく事実にもとづいて課題を特定すると、改善の効果を見込みやすくなります。

業務フローを書き出す

はじめに、受注から配送までの工程をひとつずつ書き出します。誰がどの作業を担い、どれくらいの時間がかかっているかを整理すると、手戻りや重複が見えてきます。図にして共有すれば、現場の全員で課題を認識できるでしょう。

工程別にKPIを設定する

改善の進み具合を測るために、工程ごとの指標を決めておきます。数値で追えるようにしておくと、施策の効果を客観的に判断できます。

指標 内容
出荷リードタイム 受注から出荷までにかかる時間
誤出荷率 出荷件数に対する誤りの割合
人時生産性 ひとりが一時間で処理できる作業量

効率化を進める4つのステップ

課題が見えたら、いよいよ効率化に着手します。やみくもに手をつけるのではなく、次の順序を意識して進めることが成功への近道になります。

  1. 着手する工程の優先順位をつける ― ムダが大きく、改善効果が見込みやすい工程から取りかかります。
  2. 作業を標準化・マニュアル化する ― 手順を統一し、品質のばらつきと属人化を抑えます。
  3. システムで情報管理を効率化する ― 倉庫管理システム(WMS)などで入出庫や在庫を一元管理します。
  4. 省人化・自動化を取り入れる ― 人手に頼ってきた工程を機械に任せ、品質を安定させます。

省人化・自動化と設備の選び方

自動化を考えるときに注意したいのは、設備によって担う工程が異なる点です。バンドで荷物を束ねる結束には梱包機(結束機)が使われ、袋やフィルムで包む工程には包装機が用いられます。一方、通販物流では、商品の封入から封かん、ラベルの貼り付けまでを一連で自動化する自動梱包ラインが活躍します。

梱包現場の自動化に取り組んだ例では、手作業に比べて必要な人員がおよそ半分になり、同じ時間あたりの出荷件数が数倍に伸びたケースも報告されています。さらに、緩衝材を使わずフィルムで商品を固定する方式に切り替えると、資材コストの削減と配送中の破損防止を同時に進められます。配送形態によって最適な設備は変わるため、扱う商品やサイズに合わせて選ぶことが大切です。代表的な自動梱包ラインを、配送形態ごとに紹介します。

メール便サイズの封筒形状を中心に出荷するなら、高速で大量に梱包できるラインが適しています。

PAS-Line 外観

PAS-Line(パスライン)

全長 3.5 mの省スペース設計で、1 時間 1,000 件の高速出荷を実現。メール便の梱包コストを最小化したい現場に最適です。

PAS-Lineの詳細を見る >

メール便の箱形状を扱う場合は、糊付けできれいに仕上げられるラインが向いています。

MELT-Line 外観

MELT-Line(メルトライン)

メール便最大サイズ対応。専用の糊付け(テープレス)により、美しい梱包と高い開封性を両立。ブランド価値を高める梱包ラインです。

MELT-Lineの詳細を見る >

宅配便サイズの箱を扱うなら、フィルムで固定して緩衝材を減らせるラインが選択肢になります。

BOS-Line 外観

BOS-Line(ボスライン)

フィルム固定で緩衝材を完全撤廃。宅配便サイズの梱包を自動化し、資材コスト削減と配送中の破損防止を同時に実現します。

BOS-Lineの詳細を見る >

段階的に始める自動化のポイント

物流プロセスの段階的な自動化のポイントを示したイメージ

自動化と聞くと大規模な設備投資を思い浮かべるかもしれませんが、最初から大型のラインをそろえる必要はありません。自社の出荷量と作業内容に合わせて、無理のない範囲から選ぶことが大切です。

手動・半自動・自動を使い分ける

設備は、対応できる工程と適した現場が異なります。それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。

タイプ 特徴 向いている現場
手動梱包機 結束を手で行い、低コストで導入できる 小規模やスポット的な利用
半自動梱包機 商品を置きスイッチを押すと作業が進む 一定の出荷量がある現場
自動で進める設備 工程を自動化して省人化と品質安定を図る 出荷量が多く安定した現場

小さく始めて広げる

まずは負荷の大きい工程だけを自動化し、効果を確かめてから対象を広げる進め方が現実的です。段階的に取り組むことで、初期投資を抑えつつ、現場への定着もスムーズに進められます。実際にどの工程をどう改善できるのかを具体的に知りたい場合は、改善のヒントをまとめた資料も参考になります。

 

導入事例集

まとめと改善を成功させるポイント

物流プロセスは、受注から配送までの多くの工程が連なって成り立っています。全体の流れを把握したうえでムダの大きい工程を見える化し、優先順位をつけて効率化を進めることが成果への近道です。なかでも梱包の工程は手作業が残りやすく、自動化による改善の効果が表れやすい部分といえます。

取り組みを長く続けるために、次の点を意識しておきましょう。

  • 設定したKPIを定期的に振り返り、効果を測りながら改善を続ける
  • 効率だけを追わず、梱包の品質や配送の正確さも保つ
  • 現場の担当者を巻き込み、納得感を持って進める

自社の現場に合った進め方に迷ったときは、梱包工程の自動化にくわしい担当へ相談してみるのもひとつの方法です。



よくある質問

物流プロセスと業務フローの違いは何ですか

物流プロセスは、受注から配送までのモノの流れ全体を指します。業務フローは、その流れのなかで誰がどの作業をどの順番で行うかを具体的に示したものです。プロセスを大きな流れ、業務フローをその中身ととらえると、違いが分かりやすくなります。

効率化はどこから始めるとよいですか

まずは現状のフローを書き出し、工程ごとの時間やミスの発生状況を把握することから始めます。そのうえで、ムダが大きく改善効果が見込みやすい工程から着手すると、無理なく成果につながります。

梱包と包装の違いは何ですか

包装は、商品を袋やフィルム、箱で包む作業そのものを指します。梱包は、包装や結束を含め、配送に耐えられる状態へ仕上げる工程の総称として使われます。

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