
更新日 2026-05-05
※記事内の画像は一部生成AIを使用し作成しています
ダンボールのフルート種類は7つあり、厚みと強度が大きく異なります。本記事では、EC運営者や物流担当者向けに、各フルートの違いと選び方、自動梱包ラインに適した素材まで解説します。読了後には自社に最適な梱包資材を選べるようになります。
目次
- ダンボールのフルートとは?基本構造から理解する
- ダンボールフルート7種類の早見表【厚み・段数・強度を一覧比較】
- 【種類別】各フルートの特徴と最適な用途
- Aフルート|国内で最もスタンダード(厚み約5mm)
- Bフルート|薄手で精密設計向き(厚み約3mm)
- Cフルート|海外輸出に強い中間サイズ(厚み約4mm)
- Eフルート|印刷美粧性に優れる(厚み約1.5mm)
- F・Gフルート|マイクロフルートの代表格(厚み約1.1mm/0.9mm)
- Wフルート|重量物・海外発送の定番(厚み約8mm)
- 物流現場で見る「フルート選定の落とし穴」4つ
- 配送種別で選ぶ|用途別フルートの最適解
- フルートと一緒に押さえたい「ライナー」の知識
- 自動梱包ラインで使うダンボールのフルート選び
- ダンボールのフルート種類に関するよくある質問
- Q1. フルートの「段数」とは何を意味していますか?
- Q2. 日本ではAフルート、海外ではCフルートが主流なのはなぜですか?
- Q3. 耐水・防湿加工はどのフルートでも可能ですか?
- Q4. 自動梱包ラインに通せないフルートはありますか?
- Q5. オリジナルサイズで小ロット注文は可能ですか?
- まとめ|フルートは「種類」だけでなく「選定基準」で選ぶ
ダンボールのフルートとは?基本構造から理解する

フルートはダンボールの強度や用途を左右する、最も重要な構造要素です。種類ごとの違いを把握する前に、まずはダンボールの基本構造とフルートの役割を整理しておきましょう。
ダンボールは3層構造でできている
一般的なダンボールは、平らな2枚の紙で波形の中芯を挟み込む3層構造で作られています。
各層の名称と役割は、以下の通りです。
- 表ライナー(外側の紙)|印刷面となる部分。耐水・防湿などの機能を付与できる
- 中芯(フルート)|波形の紙。ダンボールの強度と緩衝性を生み出す中核
- 裏ライナー(内側の紙)|中身を保護する役割。古紙系・パルプ系で強度が変わる
中芯の波の高さや密度を変えることで、強度・厚み・印刷適性のバランスが調整されます。これがフルートの種類分けにつながっていきます。
フルートの語源と「JIS規格」の関係
「フルート」は英語のflute(笛)に由来する言葉ですが、楽器そのものではなく、古代ヨーロッパの宮廷服に見られる「ひだ襟」の波形が名称の由来とされています。
また、JIS(日本産業規格)で正式に定められているフルートは、A・B・Cの3種類のみです。E・F・Gフルートは規格外となり、メーカーごとに仕様が若干異なる点に注意が必要となります。
ダンボールフルート7種類の早見表【厚み・段数・強度を一覧比較】
ここでは、現在国内で流通している7種類のフルートについて、厚みや段数、用途を一覧で比較します。
フルート7種類の比較一覧表
| フルート名 | 厚み | 30cm内段数 | 強度 | 印刷適性 | 主な用途 |
| Aフルート | 約5mm | 34±2段 | 高い | やや低い | 宅配箱、引越し、青果の外箱 |
| Bフルート | 約3mm | 50±2段 | 中程度 | 中程度 | 小型宅配、缶詰・瓶詰の梱包 |
| Cフルート | 約4mm | 40±2段 | 高い | 中程度 | 海外輸出向け外箱 |
| Eフルート | 約1.5mm | 80以上 | 低め | 高い | 化粧箱、ギフト箱、個装 |
| Fフルート | 約1.1mm | 120以上 | 低め | 非常に高い | 高級パッケージ、小物梱包 |
| Gフルート | 約0.9mm | 180以上 | 低め | 非常に高い | 美粧パッケージ、ディスプレイ用 |
| Wフルート | 約8mm | A+B二重構造 | 非常に高い | 低い | 重量物、精密機器、海外発送 |
※厚みや段数はメーカー・原紙によって変動するため、発注時は仕様書での確認をおすすめします。
層構造による分類も押さえておきたい
フルートは個別の名称だけでなく、層の数によっても呼び方が変わります。
- 片面ダンボール|ライナー1枚+中芯。緩衝材として使用
- 両面ダンボール(シングル)|ライナー2枚+中芯1枚。最も一般的な構造
- 複両面ダンボール(Wフルート)|中芯を2層に重ねた構造。強度重視
- 複々両面ダンボール(トリプル)|中芯を3層に重ねた最強構造。産業機械の輸送用
【種類別】各フルートの特徴と最適な用途

ここからは、7種類のフルートそれぞれの特徴と、適した用途を順番に解説します。自社で扱う商品に当てはめながら読み進めてみてください。
Aフルート|国内で最もスタンダード(厚み約5mm)
Aフルートは、30cmあたり34±2段の波形を持ち、国内のダンボールで最も流通量が多い種類です。段が高く衝撃吸収性に優れているため、引越し用の段ボール箱、青果物の外装、家電の梱包など幅広い用途で使われています。
「迷ったらAフルート」と言えるほど汎用性が高く、宅配便の標準サイズにも適しています。
Bフルート|薄手で精密設計向き(厚み約3mm)
Bフルートは、Aフルートより薄いものの段数が多く、潰れにくい特性を持ちます。書籍・CD・缶詰・瓶詰など、軽量で角がしっかりした商品の梱包に向いています。
折り込み加工がしやすいため、複雑な形状の内装箱やディスプレイ用にも採用されている種類です。
Cフルート|海外輸出に強い中間サイズ(厚み約4mm)
CフルートはAとBの中間に位置し、強度と省スペース性のバランスが取れた種類です。日本ではあまり主流ではないものの、海外ではCフルートが標準として広く使われています。
そのため、海外向けの輸出梱包や、海外パートナーと共通の包装仕様書を運用したい企業に適しています。
Eフルート|印刷美粧性に優れる(厚み約1.5mm)
Eフルートは、薄手でありながら印刷適性が高く、化粧箱やギフト用パッケージで多用される種類です。表面が滑らかなため、フレキソ印刷やオフセット印刷を施すと美しい仕上がりが得られます。
ブランドの世界観を伝える梱包に最適な選択肢といえます。
F・Gフルート|マイクロフルートの代表格(厚み約1.1mm/0.9mm)
F・Gフルートは「マイクロフルート」と総称される極薄ダンボールです。Eフルートよりさらに薄く、厚紙との見分けがつきにくいほどの薄さを持ちます。
オフセット印刷が直接可能で合紙工程を省けるため、高級パッケージや美粧ディスプレイで採用されています。箔押しなど装飾加工にも対応しやすい点も特徴です。
Wフルート|重量物・海外発送の定番(厚み約8mm)
Wフルートは、AフルートとBフルートを2層に貼り合わせた複両面ダンボールで、Aフルートの約1.5倍の強度を発揮します。重量物・精密機器・海外発送用の輸送箱として広く使われており、長距離輸送や積み重ね保管にも耐える堅牢さが魅力です。
ただし材料コストが高くなるため、必要強度を見極めた上で採用するのが現実的です。
物流現場で見る「フルート選定の落とし穴」4つ
カタログ上のスペックだけでフルートを選ぶと、思わぬコスト増や作業効率の低下を招くことがあります。物流現場で観察される代表的な選定ミスを4つ紹介します。
1. 「厚み=強度」と思い込んでしまう
ダンボールの強度は、フルートの厚みだけでなく、ライナーの種類との組み合わせで決まります。Aフルートでもライナーが弱ければ強度は出ませんし、Bフルートでも上質なライナーを使えば十分な圧縮強度を確保できます。
フルート単体での比較ではなく、ライナーとセットで判断する視点が欠かせません。
2. 過剰スペックで保管スペースを圧迫する
必要以上に厚いフルートを選ぶと、倉庫の保管効率が下がります。EC事業者では、Aフルート一択だった在庫をBやEに切り替えることで、保管スペースを大幅に削減できた事例も少なくありません。
「とりあえず厚めを選ぶ」発想は、長期的にコスト増要因になります。
3. 印刷美粧性と強度のトレードオフを見落とす
ブランドイメージを重視してEフルートやFフルートを選ぶと、強度面が犠牲になりやすくなります。輸送中の破損リスクをどう抑えるかが課題で、緩衝材や内装設計と組み合わせる工夫が求められます。
4. 海外発送でAフルートを選んで失敗する
国内向けの感覚でAフルートを海外発送に採用したところ、現地でのハンドリングの粗さや高湿環境によって潰れが発生する事例があります。海外発送ではWフルートや耐水ライナーを採用することで、破損リスクを大きく下げられます。
梱包現場の改善事例をさらに詳しく知りたい方は、以下の事例集もあわせてご活用ください。
配送種別で選ぶ|用途別フルートの最適解
発送する商品だけでなく、利用する配送サービスによっても適したフルートは変わります。代表的な配送種別ごとの選定ポイントを整理しました。
メール便で送る場合(ネコポス・ゆうパケット等)
メール便はポスト投函型のサービスで、厚み制限がおおむね2.5〜3cm以下に設定されています。そのため、薄手で印刷が美しいEフルート・Fフルート・Gフルートが選ばれるのが一般的です。
化粧品・アクセサリー・書籍など、ブランド世界観を伝えたい商品に向いた構成です。
60〜140サイズの宅配便で送る場合
一般的な宅配サイズで送る場合は、AフルートまたはBフルートが選択肢の中心となります。商品ごとの選び方は次の通りです。
- 軽量で衝撃に強い商品|Bフルートでコストを抑える
- ある程度重量があり緩衝性が必要な商品|Aフルートで安全に輸送する
- 割れ物や高価な商品|AフルートまたはWフルートに緩衝材を併用する
ギフト・化粧品など印刷美粧性を重視する場合
ギフト用途では「箱を開けたときの印象」が重要視されるため、印刷適性に優れたE・F・Gフルートが選ばれます。Fフルート以下では箔押しや特殊印刷の表現幅が広がるため、ブランドの世界観を演出しやすくなります。
強度面の補強として、内側に緩衝材や仕切りを入れる設計が前提となるケースが多くなっています。
重量物・精密機器・海外発送の場合
重量物の発送ではWフルートが定番です。長距離輸送・温湿度変化・現地でのハンドリングなど、国内発送とは異なる負荷がかかる海外発送では、Wフルートに耐水ライナーや防湿ライナーを組み合わせるのが一般的です。
仕向け地によってはCフルートが指定されることもあるため、現地の慣習も確認しておくと安心できます。
フルートと一緒に押さえたい「ライナー」の知識
ダンボールの強度や見た目は、フルート単体ではなくライナーとの組み合わせで決まります。ここでは現場で頻出する記号の読み解き方まで解説します。
ライナーの種類と強度の目安
ライナーは「アルファベット+数字」で表記されます。アルファベットは原料を、数字は重量を示します。
- C(Cライナー)|古紙ベース。コストを抑えられる
- K(Kライナー)|バージンパルプ配合のクラフトライナー。強度が高く価格も上がる
- 数字(5・6・7)|重量の指標。5は約160g/㎡、6は約180g/㎡、7は約210g/㎡
強度の順序は概ね「C5 < C6 < K5 < K6 < K7」で、用途と予算に応じて選定します。
「K5×AF」「C5×WF」など複合表記の読み解き方
ダンボールの仕様書では「K5×AF」「C5×WF」といった複合表記が頻出します。これは「ライナーの種類×フルートの種類」を組み合わせた表現です。
- K5×AF|K5ライナー+Aフルートで構成されたダンボール
- C5×WF|C5ライナー+Wフルート(複両面)の高強度ダンボール
- K6×BF|K6ライナー+Bフルートで小型重量物に対応
この表記に慣れると、メーカーとのやり取りが格段にスムーズになります。
自動梱包ラインで使うダンボールのフルート選び

通販物流では人手での梱包から自動梱包ラインへの切り替えが進んでおり、ダンボールの選び方にも変化が起きています。専門メーカーの視点から、自動化と相性の良いフルート選定のポイントを解説します。
自動梱包ラインで扱いやすいフルートの傾向
自動梱包ラインでは、ダンボールの寸法精度と紙の腰(しなり具合)が機械の搬送性に大きく影響します。
- Aフルート|厚みがあり曲げ加工に時間がかかる傾向
- Bフルート|搬送性・精度ともに良好で自動化と相性が良い
- Eフルート|印刷美粧性と機械適性のバランスが取れている
- Fフルート|薄すぎて搬送中によれが発生しやすい
実務上はBフルート・Eフルートあたりが、安定稼働しやすい選択肢として定着しています。
メール便箱の自動梱包で多く採用される構成
メール便用の自動梱包ラインでは、商品サイズに合わせて立体成型したダンボール箱を使うため、印刷美粧性と機械適性のバランスが重要視されます。テープを使わず糊付けで封かんするタイプの梱包では、ライナーの平滑度が仕上がりを左右します。
EフルートやBフルートを採用することで、美しい荷姿と高い処理スピードを両立できます。

箱シュリンク梱包で使うダンボールパッド
箱シュリンク梱包は、商品をダンボールパッドに乗せ、フィルムで全体を固定する梱包スタイルです。緩衝材代わりにダンボールパッドを使うため、平滑性とクッション性のバランスが取れたBフルートが定番となっています。
緩衝材を不要にできるため、資材コスト削減と環境配慮の両面で評価が高まっている方式です。

フルート選定が梱包スピードとコストに与える影響
自動梱包ラインの稼働効率は、使用するダンボールのフルート選定によって大きく変動します。不適切なフルートを選ぶと、機械でのジャム発生や封かん不良の頻度が増え、結果として手直し作業のコストが膨らみます。
商品特性と機械適性の双方を見極めた選定が、現場の生産性を左右する重要な判断ポイントです。

自社の発送ボリュームや商品特性に合わせた自動梱包ライン構成をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。
ダンボールのフルート種類に関するよくある質問
Q1. フルートの「段数」とは何を意味していますか?
段数とは、30cmの長さの中に含まれるフルート(波形)の個数を示す指標です。数値が大きいほど波が密になり、ダンボール全体は薄く滑らかになります。段数の違いは、印刷の美しさや圧縮強度の差として表れます。
Q2. 日本ではAフルート、海外ではCフルートが主流なのはなぜですか?
国ごとの輸送環境や流通慣習の違いが背景にあります。日本ではAフルートが古くから標準として定着し、海外では省資源性のあるCフルートが普及しました。グローバル展開する事業者は、両者の違いを踏まえた梱包設計が求められます。
Q3. 耐水・防湿加工はどのフルートでも可能ですか?
基本的にはすべてのフルートで、耐水ライナーや防湿ライナーとの組み合わせが可能です。ただし、組み合わせによっては最低発注ロットや納期に制約が出る場合があるため、事前にメーカーへ相談しておくと安心できます。
Q4. 自動梱包ラインに通せないフルートはありますか?
「絶対に通せない」というフルートはありませんが、機械の仕様によって得意・不得意は明確に存在します。一般的には極端に厚いWフルートや極端に薄いGフルートは扱いが難しい傾向があります。
導入予定の自動梱包システムに最適なフルートを、メーカーと一緒に検討するのが確実な進め方です。
Q5. オリジナルサイズで小ロット注文は可能ですか?
対応可否はメーカーにより異なります。マイクロフルート(E・F・G)はロットが大きくなりやすい一方、AフルートやBフルートは比較的小ロットでも発注しやすい傾向があります。コストとのバランスを取りながら、必要な最小ロットを確認してください。
まとめ|フルートは「種類」だけでなく「選定基準」で選ぶ
ダンボールのフルートには、A・B・C・E・F・G・Wの7種類が存在し、それぞれ厚み・強度・印刷適性・コストに明確な違いがあります。基本的な使い分けの目安は次の通りです。
- 国内宅配の標準|Aフルート
- 小型・軽量物|Bフルート
- 海外輸出|Cフルート・Wフルート
- ギフト・印刷重視|E・F・Gフルート
- 重量物・精密機器|Wフルート
一方で、フルートは種類を覚えるだけでは不十分です。ライナーとの組み合わせ、配送種別、保管効率、自動化との相性まで含めて総合的に判断することが、現場の生産性とコスト最適化につながります。
自社の梱包工程に最適なダンボール仕様や、自動梱包ラインとの相性を一緒に検討したい場合は、専門スタッフまでお気軽にご相談ください。









