
更新日 2026-02-18

はじめに
物流現場を取り巻く環境は、今まさに大きな転換期を迎えています。
特に「物流2024年問題」に端を発した人手不足の深刻化、そして燃料費や梱包資材の高騰は、多くの現場にとって避けては通れない課題です。
「出荷数が増えるほど現場が疲弊し、コストが利益を圧迫する」という状況に、危機感を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。
こうした課題を根本から解決する手段として、今、多くの企業が検討を進めているのが「自動梱包ライン・自動梱包機」の導入です。
しかし、いざ導入を検討しようとしても、
「自社の出荷量で本当に投資回収ができるのか?」
「どのような種類の機械を選べば最適なのか?」
「今の運用フローをどう変える必要があるのか?」
といった疑問や不安が次々と浮かんでくるはずです。
本記事では、自動梱包ラインの基礎知識から、導入による具体的なメリット、そして失敗しないための選び方のポイントまでを網羅して解説します。
貴社の物流現場を「コストの源泉」から「競争力の源泉」へと変えるためのヒントとして、ぜひ本記事をお役立てください。
1.自動梱包ラインとは
自動梱包ラインとは物流の梱包業務における梱包から送り状の貼付までを自動(一部半自動の箇所もある)で行う設備です。機械をそれぞれ単体で使用するのではなくシュリンク包装や製函、封函、ラベラー(送り状等を発行して貼り付ける機械)等をラインにしてシステムで連携することで梱包作業を一連の流れにし、梱包効率を大きく上げる事ができます。
また、「自動梱包機」という言葉は意味が少し異なり、例えば「封緘(テープ貼り)だけを行う」「製品を自動で包装・結束する機械」といった、特定の工程のみを自動化する機械を指します。
2.自動梱包ラインでできること
梱包形態や発送方法によって構成する機械は異なりますが、一般的に自動梱包ラインを構成する要素(=できること)をご紹介します。
製函
段ボールの組み立てを自動で行います。段ボールをセットするだけで組み立てを行う全自動の機械と、組み立ては人の手で行い底面のテープを留める半自動の機械があります。
シュリンク包装
フィルムを熱収縮させ商品を段ボールパッドに固定することで輸送中に商品が段ボールの中で動く事を防ぎます。
パッドの底面にピッタリなパッドを使用することで商品が中で動いてしまう事を防ぎ、緩衝材を削減することが可能です。
また商品の汚れ防止や見た目を綺麗にするために、商品自体をシュリンク包装する機械もあります。
バブルシート梱包
内側に緩衝材やラミネート加工をした封筒で包装をします。
主にネコポスやゆうパックといったメール便で利用され、手作業に比べて大きく梱包効率を上げることができます。
段ボールサイズの自動判別
梱包製品にピッタリな段ボールを自動で選択することで梱包効率のUPと資材費の削減が可能です。
機械が段ボールサイズを自動的に選択するため、無駄に大きな段ボールを選択するといったことが無くなります。
送り状の自動貼り付け
納品書等のデータを読み込み送り状・荷札を自動で印刷して貼付まで行います。
封函
荷物が入った段ボールに自動で封をすることができます。同じサイズの段ボールを封函するものから、段ボールのサイズに合わせて自動で封函するランダム型の機械があります。
検品作業
納品書の内容と梱包物のバーコードを照らし合わせ誤りがないかを確認することができます。
上記以外にもロボットを活用したピッキング作業やバンドがけといった機械を組み合わせることで希望の梱包形態にあったラインを設計することが可能です。
システムによる連携
自動梱包ラインは様々な機械をシステムによって連携しています。ラインが詰まらないようにする制御システムや、送り状を書き出すためのシステムなどがあります。
既存のWMS、OMSとの連携も可能です。
3.自動梱包ラインを導入する3つの大きなメリット
自動梱包ラインの導入は、単なる「作業の置き換え」ではありません。
物流拠点そのものを、属人的な現場から効率的な現場へと進化させる多くのメリットをもたらします。
① 圧倒的な生産性向上と人手不足の解消
最大のメリットは、処理スピードの向上です。手作業での梱包は、熟練者でも1時間あたり40〜60件程度が限界ですが、自動梱包ラインを導入すれば、1時間あたり700~1000件の処理が可能になります。
人件費の削減: 例えば10名で行っていた作業を2〜3名に集約できるため、浮いた人員を検品や入荷作業など、より複雑な工程へ配置転換することが可能です。
波動への対応: セール時などの急激な出荷増にも、人員を増やすことなく稼働時間を調整するだけで対応できるようになります。
1日1,000個出荷する倉庫の場合
| 作業員数 | 作業時間 | |
| 自動梱包ライン | 2~3名 | 1時間 |
| 手作業 | 10名 | 3時間 |
② 物流コスト(運賃・資材費)の最適化
最新の自動梱包機は、内容物のサイズに合わせて資材の大きさを自動調整します。
配送コストの削減: 箱の中の「余分な隙間」をなくすことで、荷物の容積を最小化。配送サイズが1サイズダウンするだけで、年間数百万〜数千万円単位の運賃削減につながるケースも少なくありません。
緩衝材の削減: 梱包が商品にジャストフィットするため、緩衝材の量を大幅に減らすことができ、資材コストの削減と環境負荷の低減(脱プラスチック)を同時に実現します。
③ 出荷精度の向上と誤配送の防止
手作業における「送り状の貼り間違え」や「同梱物の入れ忘れ」は、顧客満足度の低下や返品コストの発生に直結します。
システム連携によるミス排除: バーコード検品とラベル貼付を連動させることで、中身と伝票の不一致を物理的に防ぎます。
梱包品質の均一化: テープの貼り方やラベルの位置が一定に保たれるため、ブランドイメージの向上にも寄与します。
4.ダイワハイテックスの自動梱包ラインの種類
ダイワハイテックスの自動梱包ラインは、お客様の「サイズ」「配送キャリア」等によって最適なモデルが異なります。
ここでは、現在主流となっている3つのタイプを解説します。
メール便自動梱包システム PAS-Line
メール便の「梱包」から「送り状貼り」までを全自動化する、省スペース・高速出荷に特化したラインです。
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特徴: 全長わずか3.5mのコンパクト設計ながら、1時間あたり最大1,000梱包という圧倒的な処理能力を誇ります。
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強み: 商品サイズに合わせて資材をぴったりに調整するため、無駄な資材費を削減。納品書と送り状のバーコード照合機能により、誤配送を未然に防ぎます。
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最適: サプリメント、化粧品、アクセサリーなど、A5サイズ以内の「ポスト投函」商品を大量に扱う現場に最適です。

メール便箱自動梱包システム MELT-Line
メール便はもちろん、宅急便コンパクトにも対応したメール便箱の自動梱包ラインです。
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資材の形 :PAS-Lineが封筒形状なのに対し、MELT-Lineは「メール便箱」の製函に特化しています。フラットな資材から一瞬で箱を成形します。
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特徴:テープを使わず、専用のホットメルト(糊)で封をします。見た目が非常に美しく、ミシン目入りで開封しやすいため、顧客満足度(開封体験)を高めたいブランドに選ばれています。
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最適:箱なので壊れやすい商品を扱っている場合や、箱に印字もできる特性を活かし、ブランド力を高めたいお客様に最適です。

箱シュリンク梱包システム BOS-Line
商品を台紙に固定し、外箱の組み立てから封かんまでを一貫して行う、「脱・緩衝材」を実現する自動梱包ラインです。
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最大の特徴:シュリンク固定による「緩衝材ゼロ」 商品をフィルムで台紙にピタッと固定するため、紙やエアクッションなどの緩衝材を一切使いません。
資材コストを削減するだけでなく、受け取ったユーザーが緩衝材を捨てる手間を省けるため、顧客満足度が向上します。
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工程の一貫性: 商品のシュリンク固定 ➡ 外箱の製函 ➡ 箱入れ ➡ 封かん ➡ 送り状貼り付けまでライン化。お客様のご要望に合わせたカスタマイズ設計をします。
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最適: 化粧品、医薬品、PC周辺機器、ギフト用品など、配送中の破損を防ぎつつ、高級感のある梱包を届けたい現場に最適です。

「どの機械が適しているのか分からない」といった場合は下記の「YES/NOチャート」などを是非ご活用ください。
5.自動梱包ラインを導入を検討する際のポイント
自動梱包ラインは、一度導入すると長く使い続ける重要な資産です。
「安かったから」「速そうだから」という理由だけで選ぶと、現場の運用に合わず失敗するリスクがあります。
以下の4ステップで、自社に最適なラインを見極めましょう。
ステップ1:現状のボトルネック(停滞箇所)を数値化する
まずは「どこが原因で出荷が遅れているのか」を正確に把握します。
1件あたりの梱包に何秒かかっているか?
最も手間がかかっているのは「箱作り」か「封かん」か「送り状貼り」か?
繁忙期と通常期で、どれだけの作業員を確保しているか?
ポイント: 現在のコスト(人件費・資材費)を可視化することで、導入後の「投資回収(ROI)」が計算しやすくなります。
ステップ2:配送種別と「箱サイズ」の構成比を出す
「どのサイズの荷物が多いか」によって、導入すべきラインは明確に変わります。
ポイント: 全てのサイズを1つのラインで補おうとせず、「最も件数が多いボリュームゾーン」を自動化するのが投資効率を高めるコツです。
ステップ3:設置スペースと電気の確認をする
機械のサイズだけでなく、メンテナンススペースや、商品の供給・搬出ルートの確保が必要です。
また、自動梱包ラインは200Vを活用することが多いので場合によっては電気工事が必要となります。事前に自社の電気系統を確認しておきましょう。
ポイント: PAS-Lineのように全長3.5m程度のコンパクトな設計であれば、既存の小規模な倉庫でも導入のハードルが下がります。
ステップ4:導入後の保守・サポート体制を重視する
物流ラインが止まることは、出荷が止まることを意味します。
トラブル時にエンジニアがすぐに駆けつけてくれるか?
遠隔監視や映像ログによる迅速な診断が可能か?
稼働率に応じた柔軟なメンテナンスプランがあるか?
ポイント: 価格だけで比較せず、「現場を止めないためのサポート」が充実しているメーカーを選びましょう。
6.まとめ
今回ご紹介したように、自動梱包ライン(システム)の導入は、単なる作業の省人化だけでなく、以上のような多角的な価値をもたらします。大切なのは、最新の機械を入れること自体ではなく、「自社の現場に最適なライン」を構築することです。
どのラインが最適かは、扱う商品、出荷件数、そして目指すべき物流の姿によって異なります。
「うちの規模でも導入できるだろうか?」「投資回収にどれくらいかかるか?」といった不安がある方は、ぜひ一度ダイワハイテックスにご相談ください。
下記から自動梱包ラインの導入事例集を無料ダウンロードいただけます。







