倉庫の人手不足はもう採用だけでは解決しない|省人化で出荷を回す5つの対策

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更新日 2026-06-07

倉庫の人手不足を省人化で解決する5つの対策を解説する記事のアイキャッチ画像

※記事内の画像は一部生成AIを使用し作成しています

倉庫の人手不足に悩むEC事業者や物流部門の担当者へ向けて、深刻化する原因と、採用に頼らず省人化で出荷を回す解決策を整理しました。この記事を読めば、どの工程から着手し、何から始めればよいかが分かります。

求人を出しても応募が来ない、採用してもすぐに辞めてしまう、繁忙期になると現場が回らなくなる。倉庫の運営に携わっていると、こうした悩みに心当たりがあるかもしれません。

人手不足はもはや一部の企業だけの問題ではなく、業界全体に広がる構造的な課題へと変わりました。働き手そのものが減り続けているため、人を増やす発想だけで乗り切るのは年々難しくなっています。本記事では、原因と影響を整理したうえで、現場が今すぐ取り組める打ち手を順番に見ていきます。

倉庫の人手不足の現状をデータで把握する

倉庫の人手不足の現状をデータで示した解説イメージ

はじめに、人手不足が自社だけの問題なのか、業界全体の傾向なのかを客観的な数字で確認します。

民間調査会社の最新調査によると、正社員が不足していると感じる企業は全体で約5割にのぼり、運輸・倉庫業ではおよそ3社に2社が不足を実感しています。この高止まりは数年続いており、改善の兆しは見えにくいのが実情です。さらに、人手不足を直接の引き金とする倒産は過去最多の水準を更新し続けており、人材を確保できないことが事業の存続を脅かすリスクになりつつあります。

同じ人手不足でも、立場によって痛みの出方は変わります。自社がどのタイプに近いかを意識すると、対策の優先順位がつけやすくなります。

立場 人手不足の現れ方 特に効きやすい対策
EC事業者 セールや新商品発売で注文が集中し、梱包と出荷が追いつかない 梱包工程の省人化
製造業・メーカーの物流部門 本業の生産に人員を割きたいのに、出荷・梱包に人手を取られる 標準化と自動化の併用
物流代行 受託物量の増加に採用が追いつかず、残業と品質低下が進む 省人化による処理能力の底上げ

倉庫で人手不足が深刻化する4つの原因

数字の背景には、複数の要因が重なっています。自社に当てはまるものがないか確認してみてください。

  1. 少子高齢化による労働人口の減少 現場では従業員の高齢化が進む一方、若年層の入職は伸び悩んでいます。退職する高齢層を補う若手を確保できず、人員構成のバランスが崩れていきます。
  2. EC拡大で物量は増えるのに人は増えない 注文は小口で多頻度になり、ピッキングや検品、梱包の作業量が膨らみます。物量の伸びに人員の確保が追いつかず、そのまま現場の負担になります。
  3. 物流2024年問題や今後の労働力減少 ドライバーの労働時間規制により、荷待ちや出荷リードタイムの見直しが求められ、倉庫側にも負荷がかかります。現役世代の減少は今後さらに進むと見込まれています。
  4. きつい・重労働というイメージと採用難 重量物の運搬や立ち仕事の負担から敬遠されやすく、燃料費や資材費の高騰で十分な賃上げにも踏み切りにくい状況が、応募の少なさと早期離職を招いています。

人手不足を放置すると生じる主な影響

人手不足は現場の忙しさだけでなく、経営の数字にも直接ダメージを与えます。代表的な影響を整理します。

  • 当日出荷が間に合わず、繁忙期に物量をさばききれずに受注機会を逃します。
  • 人海戦術に頼るほどピッキングや梱包のミスが増え、誤出荷や返品の対応コストがかさみます。
  • 残業の増加が離職を招き、残ったスタッフの負担がさらに重くなる悪循環に陥ります。
  • ベテラン頼みの属人化が進むと、その人が抜けた途端に現場が止まりかねません。

どの工程から手を付けるべきか

見落とされがちですが、人手不足はすべての工程で一様に起きるわけではありません。負荷の偏りを把握すると、限られた予算と人員をどこに振り向けるべきかが見えてきます。

工程 手作業の比率 繁忙期の詰まりやすさ 自動化のしやすさ
入荷・格納
ピッキング
検品
梱包 非常に高い 非常に高い
出荷

梱包ラインの開発と導入を手がけてきた立場から見ると、注文が集中したときに最初に詰まるのは梱包工程であるケースが多くあります。商品を箱や封筒に入れ、緩衝材を詰め、封をし、ラベルを貼るという一連の作業は、物量が増えるほど人員を多く必要とするためです。

着手する工程を選ぶときは、作業量が多く、手作業の比率が高く、繁忙期に詰まりやすい工程を優先すると費用対効果が出やすくなります。多くの現場で、この条件に当てはまるのが梱包工程です。すべてを一度に変えようとせず、最もボトルネックになっている工程から段階的に改善する進め方が現実的でしょう。

倉庫の人手不足を解消する5つの対策

倉庫の人手不足を解消する5つの対策を整理した解説図

解決策は、人を増やして活かす方向と、人に頼らない方向に分けられます。両方を組み合わせて考えるのが現実的です。

  1. 採用ターゲットを広げる 作業を細分化したり短時間シフトを用意したりして、女性や高齢者、外国人材が働きやすい環境を整えます。教育と定着の仕組みづくりをセットで進めることが欠かせません。
  2. 作業を標準化してマニュアル化する 手順を標準化すれば、経験の浅いスタッフでも安定した品質で作業でき、教育期間も短縮できます。属人化を解消し、人の入れ替わりに強い現場をつくれます。
  3. WMSで在庫と作業を見える化する 在庫や入出庫を一元管理すると、探す手間や移動のムダを減らせます。誤出荷の防止にもつながり、少ない人員でも精度の高い運用がしやすくなります。
  4. 物流業務をアウトソーシングする 入庫から出荷までを外部に委託すれば、固定費だった人件費を変動費化できます。一方で自社にノウハウが蓄積されにくい面もあり、委託範囲は慎重に見極めます。
  5. 省人化・自動化で出荷能力を確保する 反復的な作業を機械に置き換えると、人員の増減に左右されない安定した出荷能力を確保できます。採用が守りなら、省人化は攻めの対策です。

採用と省人化は、どちらか一方を選ぶものではありません。判断や柔軟な対応が求められる業務は人が担い、量が多く反復的で標準化しやすい作業は機械に任せる、という切り分けが基本になります。梱包やラベル貼りのように一定のルールで大量に繰り返す作業ほど自動化の効果が出やすく、空いた人員をより付加価値の高い業務へ振り向けられます。

梱包工程の省人化という現実的な一手

梱包工程は手作業の比率が高く、繁忙期に詰まりやすい工程です。だからこそ、自動梱包ラインによる省人化は効果が見えやすい打ち手になります。自動梱包ラインとは、通販物流における商品の封入や封かん、ラベル貼付までを自動化するライン設備のことです。PPバンドやPETバンドで荷物を束ねる結束機とは役割が異なります。

手作業の梱包には、処理速度の限界、作業者の習熟度による品質のばらつき、入れ替わるたびに発生する教育の負担という弱点があります。自動梱包ラインを使うと、商品をセットするだけで封入から封かん、ラベル貼付までを連続して処理でき、仕上がりが均一になります。扱う商品のサイズや配送形態に合わせて、メール便の箱に対応する設備や、宅配便サイズの箱をフィルムで固定する設備などを使い分けられます。

MELT-Line 外観

MELT-Line(メルトライン)

メール便最大サイズ対応。専用の糊付け(テープレス)により、美しい梱包と高い開封性を両立。ブランド価値を高める梱包ラインです。

MELT-Lineの詳細を見る >
BOS-Line 外観

BOS-Line(ボスライン)

フィルム固定で緩衝材を完全撤廃。宅配便サイズの梱包を自動化し、資材コスト削減と配送中の破損防止を同時に実現します。

BOS-Lineの詳細を見る >

手作業と自動梱包ラインの処理量を比較した検証データ

自動梱包ラインの効果を確かめるため、習熟度の低い作業者を想定して、手作業とメール便用の自動梱包ラインで処理スピードを比較しました。その結果が次の表です。

梱包方法 1個あたりの所要時間 1時間あたりの処理量(換算)
手作業(箱を組み立て) 約50秒 約72個
手作業(緩衝材入り封筒) 約30秒 約120個
自動梱包ライン 1分間で19個を処理 最大1,000個ほどが目安

実際の導入現場でも効果は数字に表れています。大量出荷が発生するある倉庫では、それまで6〜7名で行っていた梱包業務を、自動梱包ラインの導入によって3名で運用できるようになりました。同じ時間あたりの人件費はおよそ半分になり、出荷件数は概算で約4倍に伸びています。仕事量に人の手が追いつかないという、まさに人手不足そのものが導入のきっかけでした。

PAS-Line 外観

PAS-Line(パスライン)

全長 3.5 mの省スペース設計で、1 時間 1,000 件の高速出荷を実現。メール便の梱包コストを最小化したい現場に最適です。

PAS-Lineの詳細を見る >

このほかの導入効果や、商品サイズ別の活用例は事例集にまとめています。自社の梱包工程に近いケースを探したい場合は、あわせて参考にしてください。

 

導入事例集

小スペース・1ラインから始めるスモールスタート

自動化と聞くと、大規模な投資や広い設置スペースを思い浮かべるかもしれません。しかし梱包工程の自動化は、最小でおよそ3.5mのスペースがあれば導入でき、1ラインから始められます。リースを活用すれば初期投資も抑えられるため、まず1ラインだけ省人化して効果を確かめ、手応えを見ながら増設する進め方が可能です。導入を支援してきた経験では、この段階的な進め方をとった現場ほど、無理なく定着して成果につながりやすい傾向があります。

導入前に確認したいチェックポイントと使える補助金

省人化導入前に確認すべきチェックポイントと使える補助金を示したイメージ

省人化の効果を最大化するには、導入前の見極めが欠かせません。次の項目を確認しておくと、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

  • 各工程の人数と1日の処理物量を数値で洗い出したか
    > 設備が現状の設置スペースと作業動線に収まるか > 操作や資材交換がシンプルで、教育しやすいか > 削減できる人件費から、投資回収の期間を試算したか

とりわけ見落とされやすいのが、操作のしやすさです。人の入れ替わりが多い現場では、操作が複雑な設備ほど定着が進まず、結局もとの手作業に戻ってしまう例も見られます。データチェックや資材交換が簡単な設備を選ぶことが、安定稼働への近道になります。

なお、省人化や自動化への投資には、国の補助金を活用できる場合があります。人手不足に悩む中小企業が省力化設備を導入する際に使える補助金が代表例で、倉庫で用いる機器も幅広く対象になり得ます。制度の要件や公募時期は年度ごとに変わるため、申請前に必ず公式情報や認定支援機関で最新内容を確認してください。

よくある質問

採用強化だけで人手不足は解決できますか

採用強化は重要ですが、それだけで解決するのは難しくなっています。労働人口そのものが減り続けているため、採用と並行して標準化や省人化を進め、少ない人数でも回る現場をつくることが現実的です。

どの工程から自動化を始めるのが効果的ですか

作業量が多く、手作業の比率が高く、繁忙期に詰まりやすい工程から着手すると効果が出やすくなります。多くの現場では梱包工程がこの条件に当てはまります。

自動化には大きな投資とスペースが必要ですか

大規模な自動倉庫はその傾向がありますが、梱包工程の自動化は省スペースで1ラインから導入でき、リースにも対応できます。小さく始めて段階的に広げられます。

自動化すると梱包品質は安定しますか

仕上がりが均一になり、人為的なミスのリスクを下げられます。人手不足のもとでは人海戦術で品質が低下しやすいため、品質を安定させる面でも省人化は有効に働きます。

まとめ

倉庫の人手不足は、少子高齢化やEC拡大、物流2024年問題などが重なった構造的な課題です。採用施策だけで埋めきるのは難しく、これからの現場には、限られた人員でも安定して出荷できる仕組みづくりが求められます。

採用ターゲットの拡大や標準化、WMS、アウトソーシングで現場の負担を平準化し、そのうえで手作業の比率が高い梱包工程の省人化に取り組めば、人に左右されにくい出荷能力を築けます。まずは自社のボトルネック工程を数値で把握するところから始めてみてください。

梱包工程をどこまで省人化できるのか、自社の物量や商材に合った進め方を具体的に知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。実機での検証や個別のご相談にも対応しています。



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